2021年1月2日に第97回箱根駅伝往路が開催されました。
本記事では箱根駅伝往路の結果と、明日(1月3日)行われる復路の展開を予想していきます。
区間エントリーおよび当日変更予想はこちら↓
箱根駅伝2021 区間エントリー発表!各大学の戦力分析と当日変更予想は?
✔本記事の著者
箱根駅伝は小学生の頃から毎年見ており、初代山の神今井正人選手の活躍から知っている
ハーフのPB:1時間25分28秒
フ ルのPB:3時間37分59秒
もくじ
第97回箱根駅伝往路の結果と復路の展望
往路 チーム順位
順位 | 大学 | タイム | トップとの差 | 区間順位 |
1位 | 創価大学 | 5時間28分08秒 | 3→6→3→2→2 | |
2位 | 東洋大学 | 5時間30分22秒 | +2分14秒 | 9→4→8→6→3 |
3位 | 駒澤大学 | 5時間30分29秒 | +2分21秒 | 15→7→2→11→4 |
4位 | 帝京大学 | 5時間30分39秒 | +2分31秒 | 13→12→4→9→1 |
5位 | 東海大学 | 5時間31分35秒 | +3分27秒 | 2→8→1→19→7 |
6位 | 東京国際大学 | 5時間32分06秒 | +3分58秒 | 14→1→9→13→10 |
7位 | 順天堂大学 | 5時間33分31秒 | +5分23秒 | 10→10→5→5→13 |
8位 | 神奈川大学 | 5時間33分40秒 | +5分32秒 | 4→9→10→10→11 |
9位 | 國學院大學 | 5時間34分52秒 | +6分44秒 | 12→15→7→15→8 |
10位 | 拓殖大学 | 5時間35分01秒 | +6分53秒 | 11→5→18→16→5 |
11位 | 早稲田大学 | 5時間35分12秒 | +7分04秒 | 5→13→6→3→19 |
12位 | 青山学院大学 | 5時間35分43秒 | +7分35秒 | 6→14→14→4→17 |
13位 | 城西大学 | 5時間35分44秒 | +7分36秒 | 7→11→17→18→6 |
14位 | 明治大学 | 5時間36分03秒 | +7分55秒 | 16→17→12→7→9 |
15位 | 日本体育大学 | 5時間36分38秒 | +8分30秒 | 8→3→11→17→16 |
16位 | 法政大学 | 5時間37分14秒 | +9分06秒 | 1→19→12→11→12 |
17位 | 国士舘大学 | 5時間37分14秒 | +9分40秒 | 18→2→19→14→14 |
18位 | 山梨学院大学 | 5時間38分38秒 | +10分31秒 | 20→18→16→1→15 |
19位 | 中央大学 | 5時間39分17秒 | +11分09秒 | 17→16→15→8→18 |
OP | 関東学生連合 | 5時間45分46秒 | +17分39秒 | |
20位 | 専修大学 | 5時間49分56秒 | +21分49秒 | 19→20→20→20→20 |
1区から目まぐるしく順位が変わり、想像以上の波乱のレース展開でした。
往路優勝したのは4区で首位に立った創価大学(福田④-ムルワ②-葛西②-嶋津③-三上③)。箱根駅伝予選会・全日本大学駅伝と主要大会に今年唯一出ていなかった大学で、出来が読みづらかったといえます。それでも記録会では福田選手をはじめ自己ベストを更新し、三上選手が激坂王の大会で優勝するなど箱根駅伝に向けてチーム状態は良かったと思われてました。しかし優勝するまでとは‥正直陸上ファンをはじめほぼ誰も想像しなかったでしょう。
往路優勝の要因としてはミスがなかったことは当然ですが、4区嶋津選手の活躍が大きかったです。3区終了時点が2位で、トップと34秒差でしたが、嶋津選手の快走で2位と1分42秒差まで開いたのが大きかったでしょう。おかげで三上選手も落ち着いて走ることができました。昨年のシード権確保の走りといい本当に素晴らしい選手です。
2位は1区から安定していた東洋大学(児玉②-松山①-前田②-吉川④-宮下③)。特に2区松山選手の快走が大きかったでしょう。やや3~5区は物足りなかったかもしれませんが、昨年の往路10位を考えると箱根に強い東洋大学が戻ってきたといえるでしょう。
3位は優勝候補の一角駒澤大学(白鳥①-田澤②-小林④-酒井②-鈴木①)。まずは1区白鳥選手の起用が意外過ぎました。加藤選手は何かあったかもしれません。結果として苦手の1区でつまづき、田澤選手は取り返す走りで終わってしまいました。それでも小林・鈴木選手が期待通りの走りでなんとか優勝争いに踏みとどまりました。
4位はロード巧者の帝京大学(小野寺④-星④-遠藤③-中村③-細谷③)。1・2区が昨年に比べると物足りなかったですが、遠藤選手で流れを取り戻し、5区の細谷選手が区間賞の素晴らしい好走でした。ここ数年は山上りの5区に苦しめられていたので、区間賞は復路に向けて相当大きかったといえます。
5位は1区から流れを作り3区では首位だった東海大学(塩澤④-名取④-石原①-佐伯①-西田④)。1区塩澤選手は序盤ペースメーカーに使われながらも2位と意地を見せてくれました。そして3区石原選手の快走は素晴らしいもので、今後に期待できるものでした。しかし4区でつまづいてしまったのが最終的には大きく響いてしまった気がします。
6位はヴィンセント選手の快走が大きかった東京国際大学(丹所②-ヴィンセント②-内田④-宗像②-荒井④)。ヴィンセント選手はコンディションの良くない中でもはや異次元の走りでした。3区以降の粘りも大きく、5区も踏ん張ったのがシード権に向けては大きかったでしょう。
7位は予選会トップの順天堂大学(三浦①-野村②-伊豫田②-石井①-津田③)。1区からシード権前後をずっとキープしていました。なんとも言えないといえばそれまでですが、大きなミスをしないことは復路でも重要でしょう。
8位は1区から流れを作った神奈川大学(呑村③-井手④-川口③-西方③-北﨑④)。例年残念ながら必ずといっていいほどどこかで大ブレーキをしてしまいますが、今年は1区から上位で戦い、大きなミスをしなかったのがこの順位といえます。逆に復路は毎年まずまず安定しているので、この結果はシード権獲得に向けて上出来といえます。
9位は3・5区で順位を上げた國學院大學(藤木③-中西大翔②-臼井④-河東④-殿地③)。1区で流れに乗れなかったのは痛かったですが、最低限の結果でなんとかシード権上では往路を終えられました。
10位は5区石川選手が快走した拓殖大学(合田③-ラジニ②-新井③-佐藤③-石川④)。日本人エースの1人吉原選手の欠場は痛い気がしましたが、1区がまずまずで5区で10位まで上がったのは復路に向けては好材料でしょう。
11位は4区終了時点では3位だった早稲田大学(井川②-太田③-中谷③-鈴木②-諸冨①)。太田・中谷選手が日本選手権明けで本調子ではありませんでしたが、4区までは3位と上々の走りでした。しかし5区で大ブレーキとなってしまいました。
12位はまさかの昨年王者青山学院大学(吉田④-中村②-湯原③-佐藤①-竹石④)。岸本選手不在の2区がこれほどまでに厳しいものだとは想像できませんでした。また3・5区も結果を残せませんでした。正直なところ神林選手の疲労骨折での欠場は痛すぎたでしょう。まあ竹石選手が立ち止まりながらも走れなくなっての棄権がなかったことが幸いだったと思うしかありません。
13位は1~3区に三本柱を投入した城西大学(砂岡③-菊地④-菅原④-梶川④-山本唯翔①)。2区までは良かったですが、菅原選手が本調子ではありませんでした。それでも5区山本唯翔選手の快走は来年以降に向け明るいものでした。
14位は優勝候補でもあったまさかの明治大学(児玉①-加藤②-小袖④-櫛田②-鈴木③)。1区でつまづき、3区まで苦しい戦いでシード権争いすら危ういものでした。それでも櫛田選手と本調子でないながらも鈴木選手が取り返し、なんとか復路につながる結果でした。
15位は2区まで4位と健闘した日本体育大学(藤本②-池田④-岩室④-福住④-村越②)。2区池田選手はエースとして素晴らしい走りでした。ただ3・5区でつまづいてしまったのが復路に向けては痛かったでしょう。
16位は1区鎌田選手が区間賞を獲得した法政大学(鎌田③-河田②-松本②-清家③-古海④)。個人的な予想で鎌田選手は故障して2区を回避したのではと考えたのは申し訳なかったくらい素晴らしい走りでした。しかしその影響か2区で大ブレーキになったのは痛かったでしょう。
17位はヴィンセント選手が流石だった国士舘大学(山本①-ヴィンセント③-清水拓斗③-木榑③-孝田④)。できれば1区でもう少し良い位置で渡せたらなというのはありました。
18位はオニエゴ選手が区間賞を獲得した山梨学院大学(新本①-森山④-島津①-オニエゴ③-星野②)。1区は1年生には厳しいものでした。瀬戸選手の欠場も痛かったでしょう。それでもオニエゴ選手の区間賞は1年の頃の走りを考えるとよくここまで成長したなと思わせる素晴らしい走りでした。
19位はシード権獲得有力候補だった中央大学(千守②-森③-吉居①-三須④-畝④)。まだ分かりませんが三浦選手はまた欠場でしょうか。その影響か1区から流れを作れず、頼みの5区もまさかの大ブレーキ。厳しい箱根駅伝となってしまいました。
オープン参加の関東学生連合(難波④-河村③-小島②-中山①-杉浦③)は1区難波選手が頑張っていたのが印象的でした。
20位は7年ぶり出場の専修大学(高瀨②-茅野④-金久保③-国増②-野下①)。エース木村選手は故障だったのでしょう。とにかく厳しかったですが、次回以降につなげるしかありません。
復路 展開予想
◎総合優勝争い
総合優勝に関わってくるのは5位東海大学までと見ています。例年なら東海大学のトップと3分27秒差は厳しいものですが、1位創価大学の戦力を考えると低いですが可能性がありそうです。
まず優勝争いの全大学に共通して言えるポイントは6区です。今年は特別飛びぬけた選手はいませんので差があまりつかないかもしれませんが、ここで流れを作った大学にチャンスが出てきます。また現在1位の創価大学は山下りを苦手としているので、ここでいかに差を詰められるか、あるいは詰まらないのかが重要になってきそうです。
1位の創価大学は9区石津選手に渡すまでに1分以上の差があれば優勝できると見ています。正直なところ現復路の登録メンバー・控えを見ても他大学に対しては厳しいものがあります。間違いなく差は詰まるでしょう。それでも2分以上の貯金を上手く残していけば総合優勝の道が開けてきます。昨年の9区経験者石津選手が安心して快走するにはアドバンテージ1分はほしいかなと思いますね。
2位の東洋大学は西山選手を起用するのかに注目です。もしかしたらですが使うなら6区かもしれませんね。また優勝に向けては7区終了時点で1分半差まで詰めたいところでしょう。
3位の駒澤大学は8区伊東選手で一気にトップとの差を詰められるかに注目です。
往路を見て感じた方も多いでしょうが、総合優勝するためにはいかにミスをしないかが重要です。大きなブレーキがなかった大学が優勝すると見ています。
◎シード権争い
今年のシード権争いは例年以上熾烈です。なぜなら優勝候補でもあった早稲田大学・青山学院大学・明治大学が往路終了時点でまさかのシード権外です。復路での追い上げを考えると6位東京国際大学以下はどこが取ってもおかしくありません。
シード権争いの注目ポイントは8区終了時点での差が重要と見ています。具体的には順天堂大学・國學院大學・早稲田大学・青山学院大学・明治大学は9・10区が計算できるので、10位とビハインド1分差以内ならシード権獲得のチャンスありと見ています。一方で東京国際大学・神奈川大学・拓殖大学・城西大学・日本体育大学は9・10区で逆転される可能性があるので11位とリード1分半差以上が欲いえばほしいところです。他校との兼ね合いもあるため何とも言えませんが、少しでも貯金がほしいのはどの大学も一緒でしょう。
まとめ
今年は例年以上に予想できない結果となっています。
特に創価大学の躍進と青山学院大学の失速が象徴的でしょう。
復路も想像以上の展開が待っているかもしれません。ただ一つ言えることは間違いなく優勝争いもシード権争いも終盤までもつれるでしょう。
また無事に全チームが完走することを祈って楽しみにしています!