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【箱根駅伝2021】青山学院大学 キャプテン神林選手の故障 チームを襲った絶望と意地

 

2020年12月28日。

区間エントリーを前日に控えたこの日、青山学院大学キャプテンでエースの神林選手には非常な通告だっただろう。

 

「右臀部仙骨 疲労骨折」

 

この時点で神林選手は最後の箱根駅伝を走らずの競技引退を覚悟したでしょう。

今までの原晋監督なら神林選手から故障の報告を聞いてすぐに代役を決めていたでしょう。

しかし12月30日のミーティングで監督は神林選手を10区で起用したいと言ったそうです。

それでも神林選手が主将として起用を断ったそうです。

【箱根駅伝】青学大・原監督が大会直前に泣いた日 “走れなかった主将”神林の本音「なんで自分なんだ…」

 

 

大学駅伝ファンの私としてはこの記事を読んで驚きました。何に一番驚いたかと言うと箱根駅伝を一番重要視し、選手起用は非情な原監督が棄権してでも神林選手を使いたいと言ったところです。原監督について何一つ分かっておらず勘違いしていたのかもしれませんが、感情に任せて1選手を優遇するタイプだとは思いもしませんでした。ただそれだけ今年はキャプテン神林でチームがまとまっていたのでしょう。神林選手の人間性の素晴らしさも知ることができました。

 

欠場を申し出てチームに優勝を託した神林選手の思いとは裏腹に往路は苦戦しました。1区吉田選手は区間順位は6位でしたが、スローペースだったこともあり他校と差をつけることはできませんでした。その影響か2区中村選手は他校のエース相手にはまだ実力不足だったのか結果を残せませんでした。そして神林選手が故障さえなければ走っていた3区は湯原選手。本来は違う区間を走る予定だったため急ピッチで3区の準備をしたのでしょう。チーム順位こそ上げたものの不完全燃焼でした。スーパールーキー佐藤選手の4区は区間4位とまずまずの結果でしたが、5区竹石選手が区間17位のブレーキ。何度かストレッチのため足を止めていた姿は何か悲しさもありました。結局往路はまさかのシード権外の12位でした。

箱根駅伝の常勝軍団が優勝争いどころかまさかのシード権が取れるかどうかも分からなくなりました。まさに「絶望」を感じたでしょう。チームメイトはキャプテン神林選手の欠場を聞いたときにも絶望を感じたかもしれませんが、往路の結果で優勝できない絶望も味わうことになってしまいました。

それでもここで崩れないのが青山学院大学です。往路の結果から総合優勝は諦めても復路優勝を目指し、最低でもシード権獲得に目標を切り替えました。上手くチームとして気持ちがまとまったのか6区髙橋・7区近藤・8区岩見と全員区間3位でチーム順位も5位まで浮上しました。9区は飯田選手。故障もあり全日本大学駅伝と箱根5区を回避しましたが、区間2位と今できることは最大限したでしょう。そして10区中倉選手。あくまでも私の予想ですが、おそらく今年11番手だった選手で神林選手の欠場で出番が回ってきたのでしょう。9区終了時点で復路優勝できる位置で、総合3位も見える位置でした。途中で3位東洋大学清野選手をとらえましたが、残り2km弱で離されてしまいました。それでも総合3位を諦めずに最後まで清野選手を追っていました。いや、このときはもしかしたら復路優勝ギリギリだったので1秒を絞りだしていたのかもしれません。結果は総合4位でしたが、復路成績は駒澤大学を2秒上回り見事復路優勝を果たしました。

この「2秒」はキャプテン神林と原監督、そしてチーム全体の気持ちで削ったものだったのではないでしょうか。おそらく神林選手が10区だったら、また温情で4年生の新号選手や松葉選手を起用していたら復路優勝していなかったと思います。さらに復路を走った5選手が優勝できないからといってシード権だけ獲得できればいいやと思っていたらもっと悲惨だったでしょう。復路の走りには箱根王者の「意地」を感じました。

 

ここまで私にしては珍しく感情的に今年の青山学院大学を振り返りましたが、優勝を目指すにあたり来年以降に向け改善すべきところは改善しなければなりません。

まずは何と言っても区間配置です。前から見ていて原監督はチームの作り方も上手ですが、何より選手の適正を見極められるところと成功体験を大事にするところが他監督に比べて優れていると思ってました。言い方を変えると上り適正のない選手は2・4区から外しますし、1回ブレーキした区間では起用せず他の区間でリベンジさせるといえます。正直なところ今年走った10選手は故障者を除けばベストメンバーだったでしょう。ただ区間配置が正しかったかといえば青学ファンからしても疑問符がついたでしょう。おそらくですが今大会でブレーキだった選手は他区間ならもう少し活躍していたかもしれません。たらればかもしれませんが、神林選手の故障で監督自身が動揺してしまったんでしょう。

また往路で戦える選手の育成も必須です。現時点で来年も往路で戦えるのは佐藤選手と飯田選手で、本調子に戻ればの岸本選手でしょう。まだ2人足りません。青山学院大学は選手層の厚さが売りですが、裏を返せば飛びぬけた選手がいません。そうすると往路でゲームチェンジャーがいないため、総合優勝を目指すには往路は細かなミスも許さない状況です。そのため他校の主力と戦っても互角以上に戦える選手が必要でしょう。

 

 

第97回箱根駅伝の結果(青山学院大学)

総合順位 4位(11時間01分16秒)

往路順位 12位(5時間35分43秒)

復路順位 1位(5時間25分33秒)

区間 選手名 学年 区間記録 区間順位 チーム順位
1区 吉田 圭太 1:03:18 6位
2区 中村 唯翔 1:08:29 14位 6→13
3区 湯原 慶吾 1:04:48 14位 13→11
4区 佐藤 一世 1:03:09 4位 11→10
5区 竹石 尚人 1:15:59 17位 10→12
6区 髙橋 勇輝 58:13 3位 12→10
7区 近藤 幸太郎 1:03:14 3位 10→7
8区 岩見 秀哉 1:04:29 3位 7→5
9区 飯田 貴之 1:09:20 2位 5→4
10区 中倉 啓敦 1:10:17 4位 4→4
神林 勇太
新号 健志
松葉 慶太
大澤 佑介
脇田 幸太朗
横田 俊吾

 

 

まとめ

青山学院大学はチームエントリーの時点から岸本選手の欠場が痛いと言ってましたが、本当に痛かったのはチームのキャプテンでエースの神林選手の欠場だったでしょう。

そこでチームとして上手く切り替われば往路からもう少し良かったかもしれませんでしたが、動揺する選手が多かったのでしょう。

それだけ今年は「神林のチーム」でした。

原監督にこれほど信頼されたキャプテンはおそらくいませんでした。神林選手は競技を引退しても自信を持ってこれからの人生を楽しんでほしいです。ないとは思いますが陸上に戻ってきたければ、市民ランナーであってもいつでも陸上ファンは待っています!

私も箱根の振り返りをするにあたり普通なら衝撃的な逆転優勝した駒澤大学から取り上げるのですが、神林選手の記事に感動したので最初に昨年王者の青山学院大学を取り上げさせていただきました。

これからも他大学の振り返りを行っていくので、よろしくお願いいたします!

 

 

 

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◎箱根駅伝公式サイト

 

本記事の著者

24才 ランニング歴5年
箱根駅伝は小学生の頃から毎年見ており、初代山の神今井正人選手の活躍から知っている
ハーフのPB:1時間25分28秒
フ ルのPB:3時間37分59秒

 

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