9年ぶりのシード権獲得は現実的だった。
第89回大会の5区途中棄権でシード権を失ってから、中央大学は苦しんでいる。9区までシード圏内で獲得濃厚の場面からの10区ブレーキ。予選会敗退も味わった。昨年の予選会もなんとか10位ギリギリで通過した。
幸いにスカウトは上手くいっており、高校時代から実績を残す選手の獲得はできている。今年は都大路優勝メンバーの1人吉居大和選手の獲得に成功した。吉居選手は7月の記録会で5000mU20日本記録を出し、箱根駅伝予選会はチームトップの成績。さらに12月の日本選手権は自己ベストをさらに更新し、3位表彰台に上り詰めた。
その他主力で森・三浦選手や山では畝・若林選手がおり、シード権獲得はもちろん、上位進出の可能性も高かった。
しかし箱根駅伝本番は甘くなかった。1区千守選手が出遅れてしまう。千守選手は2年連続の1区だったが、予選会欠場でロードの練習が不十分だったのか本調子とはいえなかった。スタートでのミスが大きかったのか、2区森選手も流れに乗れず、18位まで順位を落としてしまった。
そして3区にスーパールーキー吉居選手を持ってきた。明治大学の小袖選手相手に序盤は先行していたが、失速して逆に差をつけられてしまった。結局最後は体調不良に襲われ区間15位と不本意な結果だった。本人は相当悔しかっただろうが、日本選手権の疲れが大きかったのだろう。
4区三須選手は健闘したが、5区畝選手はまさかの区間18位で順位を19位に落としてしまった。予選会の結果からすると考えられないような往路だった。名門校として屈辱を味わうことになってしまった。
それでも今年の中央大学はこれで終わらなかった。復路は一斉スタートだったが、若林選手が前の国士舘大学を捉え、区間5位の力走をみせた。その後も区間5→7→7→5位と、前の選手を追いながら上手く走ることに成功した。復路はなんと3位。総合12位でシード権を落としてしまったが、意地を見せただろう。
往路19位、復路3位と極端な結果だったが、全体的に振り返ってみると1区で出遅れたのが痛すぎた。やはり流れを作るのが1区の役割。そう考えると今年の千守選手は調子がイマイチだったため、調子の良い選手の方が良かったのではないだろうか。逆に千守選手は復路の方が輝いたのではないだろうか。おそらく三浦選手が不調で8区に回ったのが結果的には痛かったかもしれない。1区で流れを作れれば少なくとも森・吉居・畝選手はもう少し良い結果だったのではないだろうか。
来年こそはシード権獲得をしたい。そのために、更なる選手層のアップが求められるだろう。
第97回箱根駅伝の結果(中央大学)
総合順位 12位(11時間07分56秒)
往路順位 19位(5時間39分17秒)
復路順位 3位(5時間28分39秒)
区間 | 選手名 | 学年 | 区間記録 | 区間順位 | チーム順位 |
1区 | 千守 倫央 | 2 | 1:04:17 | 17位 | 17 |
2区 | 森 凪也 | 3 | 1:09:38 | 16位 | 17→18 |
3区 | 吉居 大和 | 1 | 1:05:02 | 15位 | 18→18 |
4区 | 三須 健乃介 | 4 | 1:03:54 | 8位 | 18→18 |
5区 | 畝 拓夢 | 4 | 1:16:26 | 18位 | 18→19 |
6区 | 若林 陽大 | 2 | 58:45 | 5位 | 19→19 |
7区 | 中澤 雄大 | 2 | 1:04:07 | 5位 | 19→17 |
8区 | 三浦 拓朗 | 3 | 1:05:08 | 7位 | 17→14 |
9区 | 手島 駿 | 3 | 1:10:08 | 7位 | 14→12 |
10区 | 川崎 新太郎 | 4 | 1:10:31 | 5位 | 12→12 |
ー | 伊東 大翔 | 1 | |||
ー | 助川 拓海 | 2 | |||
ー | 井上 大輝 | 3 | |||
ー | 池田 勘汰 | 4 | |||
ー | 園木 大斗 | 1 | |||
ー | 加井 虎造 | 4 |
まとめ
中央大学の選手1人1人のレベルは高い。
それでも駅伝で活躍するにはチームとしての強さが必要だろう。
トラックだけでなくロードで結果を残すには、長い距離の走り込みを増やした方が良いかもしれない。
来年こそ完全復活の中央大学に期待したい!
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✔本記事の著者
箱根駅伝は小学生の頃から毎年見ており、初代山の神今井正人選手の活躍から知っている
ハーフのPB:1時間25分28秒
フ ルのPB:3時間37分59秒