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【箱根駅伝2021】山梨学院大学 留学生オニエゴの成長

 

入学時、山梨学院大学史上最弱の留学生といっても過言ではなかった。

 

「ポール・オニエゴ」

 

ドミニク・ニャイロの後釜として入学してきたが、1年時の10000mはほぼ30分以上で、普通の日本人選手より弱かった。結局、1年時はニャイロ選手がいたこともあり、予選会や箱根駅伝でエントリーすらできなかった。

この状況を見てなのか、山梨学院大学は異例の2年連続留学生の補強を行った。新たに入ってきたのはボニフェス・ムルワ選手だった。入学直後の記録会で5000m14分06秒27を記録し、その2週間後に10000m28分17秒36を叩き出した。完全に補強は成功だった。この後全日本大学駅伝・箱根駅伝予選会とそれぞれ出場を果たし、箱根駅伝予選会ではチーム1位の結果を残した。

一方でオニエゴ選手も2年の11月に10000m28分台を記録し、ようやくチームに馴染み始めた状況だった。それでもトラックの自己ベストはムルワ選手の方がよく、留学生の補欠で4年間を終えるかと思われていた。

オニエゴ選手3年、ムルワ選手2年の今年は7月の記録会で両者10000m28分台を記録した。それでも記録はムルワ選手の方が上だった。しかし、箱根駅伝予選会にエントリーされたのはオニエゴ選手だけだった。ムルワ選手が故障し、オニエゴ選手にチャンスが巡ってきた。2年ぶりの本戦を目指した箱根駅伝予選会は、結果的にチームトップの総合19位で見事オニエゴ選手は最低限の役割を果たした。その後の全日本大学駅伝でも7区で3位と結果を残した。

ムルワ選手は11月の記録で復帰し、10000m29分11秒で箱根駅伝はどちらの留学生が出場するか分からなかった。そして迎えたチームエントリー。一応2人とも登録されるかと思われたが、登録されたのは1人だった。「ポール・オニエゴ」の名だけがあった。

 

区間エントリーで補欠だったオニエゴ選手は往路の当日変更で4区に入った。レース展開としては1区ルーキー新本選手が出遅れて最下位スタートとなってしまった。日本人エース森山選手も1つ順位を上げるので精一杯で、3区島津選手も振るわなかった。厳しい状況でオニエゴ選手に襷が渡った。

前に選手が見えなかった。それでも細かいアップダウンのコースで自分のペースを作った。結果的に誰も抜けなかったが、1時間2分15秒で区間賞を獲得した。

 

あの入学してきた時を思うとここまで諦めずに頑張ってきた。トラックで結果を残せず、多くの日本人に負けてきた。期待に応えられず、慣れない日本の環境下で生活も苦しかっただろう。それでも2年、3年と学年が上がることに徐々に結果を残し、全日本大学駅伝・箱根駅伝と出場を果たした。他大学の留学生に比べるとまだまだかもしれないが、区間賞を獲得したことは仕切り直しの山梨学院大学にとって大きなものだった。

 

結局2年ぶりの箱根駅伝は総合19位で復路に至っては最下位だった。それでもすぐに帰ってきたのは大きかっただろう。負のスパイラルに陥ることなく、今後また連続出場を記録していきたい。

 

 

 

第97回箱根駅伝の結果(山梨学院大学)

総合順位 19位(11時間17分36秒)

往路順位 18位(5時間38分38秒)

復路順位 20位(5時間38分58秒)

区間 選手名 学年 区間記録 区間順位 チーム順位
1区 新本 駿 1 1:05:04 20位 20
2区 森山 真伍 4 1:10:19 18位 20→19
3区 島津 裕太 1 1:05:13 16位 19→19
4区 オニエゴ 3 1:02:15 1位 19→19
5区 星野 一平 2 1:15:47 15位 19→18
6区 日影 優哉 4 59:06 10位 18→18
7区 木山 達哉 2 1:06:15 19位 18→19
8区 篠原 楓 2 1:07:58 20位 19→19
9区 遠藤 悠紀 4 1:12:57 18位 19→19
10区 渡邊 晶紀 3 1:12:42 18位 19→19
荒井 祐人 4
坪井 海門 3
松倉 唯斗 3
伊東 大暉 2
瀬戸 祐希 4
矢島 洸一 3

 

 

まとめ

オニエゴ選手の成長する姿は日本人選手が見習うべきものだろう。

ひたすら一生懸命練習すれば10000m30分前後でも28分台中盤にいくことは可能であることを体現してくれた。

来年はオニエゴ・ムルワ選手で切磋琢磨し、留学生のハイレベルな出場争いを期待したい!

 

 

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◎箱根駅伝公式サイト

 

本記事の著者

24才 ランニング歴5年
箱根駅伝は小学生の頃から毎年見ており、初代山の神今井正人選手の活躍から知っている
ハーフのPB:1時間25分28秒
フ ルのPB:3時間37分59秒

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