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【箱根駅伝2021】明治大学 トラック最速チーム 噛み合わないロードの現実

 

明治大学は箱根駅伝優勝候補だった。全日本大学駅伝で3位に入り、その後の記録会で軒並み10000mの自己ベストを更新した。その結果、10000mの上位10人の平均タイムは箱根駅伝出場校でトップとなった。

 

チームは絶好調に思えたが、優勝を目指すにあたりチームエントリー前に唯一の懸念点はあった。それがエース鈴木聖人選手の故障。11月に行われた10000mのレースでわずか1周(400m)で棄権した。人生で初めて走れないもどかしさを感じたようだ。明治大学は11番手以降の選手も強力だったため、万が一主力で故障があってもやや戦力ダウンで済む状況だった。しかし唯一、鈴木選手だけは替えが効かない存在だった。昨年の箱根駅伝5区で結果を残しており、特殊区間の山上りだけはエースでなければ優勝を目指せないのではという状況だった。

 

鈴木選手は結果的に1月2日の当日変更で5区にエントリーされた。これで戦力は揃ったかに思われていた。

 

1区はルーキーの児玉選手だった。11月の記録会では28分22秒を記録し、悪くても先頭が見える位置でくるだろうと思われていた。しかし結果は区間16位で出遅れてしまった。終わってから分かったことだが、記録会の後に故障し、急ピッチで間に合わせたとのことだった。2区加藤選手は2年連続だったが区間17位とさらに優勝が遠ざかってしまった。ここまで流れが悪いと3区小袖選手も思った通りに走れず、4区櫛田選手も3つ順位を上げるので精一杯だった。まさかの14位で5区鈴木選手に渡ったが、やはり故障明けで厳しかったか、順位をキープするのが限界だった。往路は14位で終わった。

 

往路終了時点で総合優勝は諦めるしかなかった。何よりシード権獲得を達成しなければならなくなった。幸いに10位拓殖大学までは1分2秒差だったので、実力的にシード権は取れるだろうと思われていた。

 

復路のスタートは3年連続で前田選手。しかし気負っていたのか本来の走りができず区間13位だった。7区手嶋選手も何か本来の走りではなかった。

唯一チームで気を吐いたのが箱根駅伝は初出場の大保選手。大保選手は1年生で全日本大学駅伝に出場したが、2・3年時は三大駅伝出場がなかった。またチーム力が上がるにつれ、大保選手の立ち位置も駅伝出場からは遠ざかっていった。それでもコロナウイルスの影響で練習が難しい中、最初で最後の箱根駅伝出場を目指しひたすら練習した。その努力が報われ、全日本大学駅伝6区でチャンスをもらった。見事区間2位と結果を残し、箱根駅伝出場争いも勝って8区での出場ができた。4年間の集大成としてとにかく10位との差を縮めようとハイペースで突っ込み、見事区間賞を獲得した。

ただ9区富田選手は11位まで上げるのが精一杯で、アンカー長倉選手は38秒差を追いつくことはできなかった。まさかの11位でシード権を落としてしまった。

 

明治大学としてはとにかく不完全燃焼だっただろう。優勝候補の1つでこの結果だったからには何が問題だったのかを振り返る必要がある。一番の問題は監督の采配だろう。ルーキーで故障明けの児玉選手に1区を託すには荷が重すぎただろう。昨年小袖選手で乗り切っていたので、今年も確実に行っても良かったのではないだろうか。また2区加藤選手も他選手に比べると記録会で調子が悪く、昨年より厳しい戦いも考えられた。1区小袖選手は変えて、2区加藤選手は変えないという点で一貫性がなさすぎる。他区間も調子の悪い選手がいたため控え選手と起用でどうだったか気になる点はあるが、何よりこの10人を起用する以上で区間配置はもう少し考えるべきだったのではないだろうか。

次にコンディショニングである。記録会に出場することは良いことだろうが、記録会がピークだった選手が何人か見受けられた。個人の力を重視し駅伝は二の次というならわかるが、そうでないなら調整法の見直しが必要だろう。厳しい意見かもしれないが、トラックとロードは別物であるため、同じ調整法では片方で結果が残らない。駅伝を重視するならスピード練習よりもロードで長い距離を踏むことが重要なのではないだろうか。

 

優勝争いが期待され、選手の中でも何かプレッシャーがあったかもしれない。シード権を落としたが、厳しい戦いを勝ち上がっての優勝を期待したい。

 

第97回箱根駅伝の結果(明治大学)

総合順位 11位(11時間06分15秒)

往路順位 14位(5時間36分03秒)

復路順位 7位(5時間30分12秒)

区間 選手名 学年 区間記録 区間順位 チーム順位
1区 児玉 真輝 1 1:04:06 16位 16
2区 加藤 大誠 2 1:09:48 17位 16→17
3区 小袖 英人 4 1:04:43 12位 17→17
4区 櫛田 佳希 2 1:03:52 7位 17→14
5区 鈴木 聖人 3 1:13:34 9位 14→14
6区 前田 舜平 4 59:46 13位 14→13
7区 手嶋 杏丞 3 1:04:44 11位 13→13
8区 大保 海士 4 1:03:59 1位 13→12
9区 富田 峻平 2 1:10:26 10位 12→11
10区 長倉 奨美 4 1:11:17 10位 11→11
漆畑 瑠人 2
村上 純大 4
金橋 佳佑 3
樋口 大介 4
丸山 幸輝 3
小澤 大輝 2

 

 

まとめ

昨年のシード校で唯一シードを落とす結果となり、厳しい意見も多いだろう。

それでも厳しい意見が多いのは、明治大学に優勝争いを期待していたからである。

予選会は甘く見ないでほしいが、きっと来年は強くなって戻ってくると私自身期待しています!

 

 

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◎箱根駅伝公式サイト

 

本記事の著者

24才 ランニング歴5年
箱根駅伝は小学生の頃から毎年見ており、初代山の神今井正人選手の活躍から知っている
ハーフのPB:1時間25分28秒
フ ルのPB:3時間37分59秒

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